30台になってもまだ生きる意味が気になる件

「若者のための<死>の倫理学」三谷尚澄著 という本を読んだ。 哲学者が書いた本で「生きる意味」を扱った本は意外に多くない。 その点で、本書は真正面から「生きる意味」扱った稀な本である。「どうせ辛いことばかりの毎日なのになぜ生き続けなければいけ…

ウィトゲンシュタインという名のコンパイラ

「語りえないものには沈黙しなければならない」 ちょっと人文系に興味のある人なら必ず聞いたことがあるこの言葉。 そう、ウィトゲンシュタインが「論理哲学論考」の末尾にしたためた言葉です。 ウィトゲンシュタインは哲学の問題は「言葉の誤用」から生じて…

鼻をつまみながら通りすぎる人生。または素直になれなかった男としての三島由紀夫

「 私の中の二十五年間を考えると、その空虚に今さらびっくりする。私はほとんど「生きた」とはいえない。鼻をつまみながら通りすぎたのだ。 (中略) 自分では十分俗悪で、山気もありすぎるほどあるのに、どうして「俗に遊ぶ」という境地になれないものか、…

気づいたら人生から「たのしさ」を引き出せなくなっている件。

みなさんはこどものころと同じくらい強くたのしいことありますか? 自分にはおとなになっても「たのしい」と胸を張って言えている人が本当に信じられない。 目の前で「たのしんでいる」様子の人を見かけることはあるけど、本当に「たのしさ」なるものを感じ…